07月≪ 2017年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2008.07/23(Wed)

雷 後編

これはARIAの二次創作小説です。ご勘弁な方はバックを推奨致します。
ジャンルは暁灯里です。アリア社長も少し出ますが、これもご勘弁な方はバック願います。

こちらの一つ前、「雷 前編」の続きになります。
未読の方は↑をお先にお読みいただけると幸いです。

すべてOK!の方、ありがとうございます。↓へどうぞ!

DSCF0093朝の雲空き地から北UP


===================================



   雷   後編



===================================


雨は止む気配もなく降り続く。

不安そうに灯里にしがみついたままのアリア社長と、
ちょこんと座って、へっちゃらぽんで瞳をきらきらさせながら外を見ている灯里と、
その姿に気づけば見とれている暁。

会話がとぎれた途端、雨と風の音が響く。


瞬間、世界が真っ白になった。


直後、すさまじい音が。まるで爆発したかのように。

 (すげえ雷だな。こりゃ近いか)

さすがに少し驚きながら、瞬時にそう思っていた。
あまり怖がっていないのは、男だからか。
本当の驚きは次の瞬間に来た。


雷鳴から半歩おくれて、


どげしっっ!!


体当たりしてくるなにか。顔面には もちもちぽんぽん。

「うぼっ!痛てぇっ!なにすんだっ!息止まったじゃねぇかっ」

顔面のアリア社長を頭にずらしながら言う。

「て、………え?」

目線を下ろし、瞬間、固まる暁。



目の前に桜色の髪。自分の懐にすっぽり収まって、がっちり背中に手を回し、
小刻みに震える身体。
胸にうずめられた顔付近から、

「………ひ~~~~ん…………」

半べその声が小さく聞こえる。さすがに雷の直下は怖かったようで。

頭にはアリア社長。やっぱりしがみついてがたがた震えている。

雷雲は通過中。ひっきりなしに落ちる雷。
鳴る度に背中に回された灯里の腕に力が入り、小さな身体が震える。
それをダイレクトに感じつつ、耳まで真っ赤になって固まったままの暁であったが、
ようやく頭を少し下げ、

静かに桜色の髪を見つめ、ひとつ深呼吸すると、その背中へ自らの両腕を回し、
最初はゆっくりと、徐々にきつく抱きしめる。

抱きしめられた灯里は、最初はびくりと身じろぎするが、
そのまま静かに彼の鼓動に耳をすます。
いつもより早いであろう鼓動。
灯里自身の心臓も、いつもよりはるかに早く脈打っている。

 (なんでかな。暁さんの心臓の音聞いてると、すごく安心する…
  私の心臓の音も、暁さんに届いているのかな…。ちょっと恥ずかしいな…
  でも)

 (もう少しだけ、このままでいたいな……)

雷は鳴り続けているが、暁の腕に包まれてすっかり落ち着いた灯里は、
彼の鼓動を聞き続けた。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


雷はすっかりおさまり、静かな雨の音。たまに空が光るものの、
雷鳴が届かないのは、雷が遠くに行った証拠。

アリア社長はいつの間にか暁の頭からずりおち、
印半纏にしがみついて眠っている。

暁は、左腕を灯里の背中に回し、無意識に右手でその長い髪をなでていた。
彼女が寝ているのか起きているのか、暁には分からない。
灯里は彼の左肩に頭を乗せ、両腕は背中に回し、印半纏をかるく握っている。
わずかな呼吸音とともに灯里が頭を動かし、
暁から横顔が見える角度で止まった。

暁は視線を下げて、灯里の横顔を見た。寝ている…ように見える。が、

その寝顔は思ったよりも近くにあって、
それまで落ち着いていた彼の鼓動が一気に跳ね上がる。

最初に会った頃の面影を残しつつ、ずいぶん大人っぽくなった彼女。
長い睫毛、色白の肌、ほんのり朱の差した頬。薄桃色の唇。
自分とお揃いの…ポニーテール。



それはもう無意識に、安心しきって幸せそうな寝顔に見入る。
動きを止める右手。気がつけば顔を近づけていた。
まるでキスをするかのように。



唇が触れる直前、我に返り、あわてて顔を離そうとする。
が、その瞬間、灯里が顔を寄せてくる。

重なる唇。優しいキス。

目を閉じる間もなく、またもや固まる暁。すぐに離れる唇。
暖かく、柔らかいものに触れた感覚だけが、暁の唇に僅かに残る。



やわらかなローソクの灯りの中、真っ赤になって固まったままの暁と、
ぽすっ、と彼の胸に顔を埋め、真っ赤な顔を隠す灯里。


灯里の顔は分からないが、いつもより暗い室内でも分かるほど、
耳と首筋が綺麗なピンク色に染まっていて。
おそらく自分も、彼女と同じくらい赤くなっているだろうことが、
自らの耳朶の熱さでわかる。



「……ずるいぞ、もみ子。寝たふりしやがって」


しばしの沈黙の後、内心の動揺をかくすように、ちょっと不機嫌な表情を作り、
戯れに右手で彼女のもみあげをもてあそぶ暁。
頬は赤いまま、まっすぐ前を見て。
どちらの鼓動なのかは分からないが、身体を通して伝わるそれは、
早鐘のように打っている。
ごまかしようもなく。

「…おあいこです」

先ほどの自分の所行のことを言われたと思い、さらに真っ赤になる暁。
ふと灯里を見ると、そこには上目づかいの彼女が。
暁を見る彼女の顔に、やわらかい笑みが浮かぶ。ちょっと潤んだ瞳。
暁と同じくらい頬を染めて。


 (…反則だ。そんな顔しやがって。止めらんねえじゃねえか。知らねぇぞ、もう)


「…あ~~…その顔、他の奴の前ですんの、禁止な。」


そんなことを言った後、もう一度、顔を近づける。ゆっくりと。



近づいてくる暁の顔。灯里は切れ長の目と整った顔に見入っていた。



閉じられる瞳。再び重なる唇。さっきより深く。



口付けたまま、華奢な身体を抱き締める。
背中に回された腕に力が入ったのが分かる。
先ほどよりも、長い長い時間が流れる。



やっと解放され、少し苦しそうに呼吸する灯里。甘い吐息が暁の頬に当たる。
理性がぶっ飛びそうになった暁は、灯里をきつくきつく抱き締める。

…そうしないと、このまま押し倒してしまいそうだったから。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


しばらくの沈黙。抱き合って、互いの鼓動と熱を感じるふたり。
そのまま静かに時は流れる。いつしか、雨も上がっていた。

「ぷぃ…にゅぅ…」

アリア社長の寝言。おもむろに灯里が口を開く。

「好きな人に触れてほしいから。女の子は、たまにずるくなれるんですよ」

そう言って、悪戯っぽく笑う。

「……………ずるいの、禁止だぞ」

やっとそれだけ応えて、暁は、彼女の背中に伸ばした腕に力を入れて、
きつく、きつく抱き締める。


 (いま、『好きな人』って。
  どうしてこいつはいつもいつも、
  すごいことを、さらりと言えてしまうんだろう。
  オレは、素直じゃねぇから。
  こうして、抱き締めることしかできねぇ)


それから腕の力を緩めて、灯里の耳元に、囁くように。


「……今度やったら、押し倒すからな」

「は…はひ?」


耳まで真っ赤になった彼女を見て、先ほどの彼女と同じように悪戯っぽく笑い、
もう一度その唇を塞ぐ。


用意された布団は使われることなく。今回はおあずけ。
抱き合ったふたりと後ろで寝ている一匹。


……いつの間にか、みんな眠ってしまっていた。
幸せそうな二人と一匹の寝顔を、やわらかな朝日が照らす。




彼の悲願が成就するのは、ARIAカンパニーに新入社員が入り、
灯里が新居に引っ越した後になる。





End.
===================================
2008.06.06.脱稿

以下、あとがきです。

【More・・・】

===================================
セルフライナーノーツ  雷
===================================


とうとう書いてしまいました。実はこれが暁灯里小説および二次創作小説の処女作になります。
そして、ここに至るまでを遡って想像し書いたのが、告白A・Bになります。
いやしかし、でっかい甘甘。ベタ甘ですな。

たぶん初深キスかと。初キスはこの前にすませています。じゃなきゃ不健康極まりない。
ま、普通はディープいったらそのまま押し倒すんだろうけど。(なので相当我慢してます暁さん)
でも今回はアリア社長いるし、あかつきん不器用だし(おい)ってことでおあずけ。
BGMは「ねがい」

そして、こいつを上げようと決意した夜。
リアルに雷雨になりました。そして停電しました。時間は2:00~2:30。そのとき職場にてハリーポッター準備祭を開催中でしたが、思わず外に出て辺りを見回すと、普段見られないような真っ暗闇。信号だけは灯っていました。素敵はどこにでも転がっているとしみじみ思いました。が、リアルで停電の街を見ると、これはいくらなんでも気付くだろう…。しかし暁、真っ暗な街を気付かず歩きます。気付こうよ暁…。って、書いたの私だ。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作小説 - ジャンル : アニメ・コミック

13:46  |  ARIA小説  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

この記事のトラックバックURL

→http://dameningensagami.blog95.fc2.com/tb.php/12-912ca588
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。