06月≪ 2017年07月 ≫08月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2009.05/06(Wed)

黒歴史 01 出会い

 かなり以前に「書きます!」と日記で書いた覚えがあるのですが、ようやく出来上がりました。
最終までは上がっておりませんが、のんびりと進めて行きたいと思っております。
 かなり久しぶりの小説文体なのでいろいろ拙いところはあると思いますが、精進して行きますのでご容赦下さいませ。

 これは自分の中の黒歴史精算企画。
自己満足と重々承知しておりますが、それでも文章化したかった黒い過去の記憶。
今のところ全8話予定です。こちらはその第1話。

 では参ります。

===================================



   黒歴史 01 出会い



===================================


 あれは――私がまだ20代で、精神的にも甘ちゃんだった頃の話。


 長年勤めていた書店を辞めてあと少しで3ヶ月。
そろそろ失業保険も貰える時期だったが、それまでのあまりのヒマさに辟易し、連日再就職先を探していた。
しかし、なかなか決まらず、少し焦り始めていた。
よく考えたら、あと数週間我慢したら失業保険も下りるのだから、もう少しゆっくりしても良かったのだ。
だが、毎日家でごろごろするだけの毎日に、本当に嫌気がさしていた。

 辞めて1ヶ月は、本当にのびのびと過ごしていたのだ。
毎日寝坊しても遅刻することはないし、ごろごろしてたってかまわない。……実家住まいだったので母に怒られることはあったが。
起きて顔を洗って歯を磨き、コーヒー飲んでパン食べて、PSの電源入れてFF7ざんまい。時間になったら夕食を食べ、また部屋にこもってPSの電源を入れる、もしくはpauseかけたままのゲームを再びプレイ。
たまにはディスクを変えて延々とテトリスしてみたり、他のRPGをしてみたり。それにも飽きたら読みかけの本に手を伸ばしてみたり。
……考えれば、ゲーム以外は本を読むばかりの日々だった。

 2ヶ月を過ぎた頃、ゲームをすることにも飽き、本も全て読んでしまった。新刊本を買うお金も出来るだけ節約したい。
なにせ、入ってくるお金がないのだ。貯金を切り崩しながら生活していくのがだんだん苦痛になってきた。
減っていく貯金残高を見るのが、とにかく辛い。ガソリン代節約と新刊本購入資金の節約のため、自転車で市の図書館に赴き本を借りまくっていたが、それさえも気分転換にならなくなった。
代わり映えのない毎日を過ごすうちに、不安が薄く薄く降り積もっていったのだろう。
絶えずつきまとう不安感に、借りてきた本の内容も頭に入らない。

 自分の心に静かに巣くう不安感にとうとう根負けし、ようやく再就活を始めたのが、98年秋の始めの事だった。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 98年11月。
新装開店する書店に、なんとか就職が決まった。アルバイトではあるが。
それでも長年勤め続けた書店員という仕事が大好きで、再び本屋に就職出来るという事に胸をなでおろしていた。

 バイト初日は大量の本の搬入。
それ以外にもこの店にはレンタル・CD販売・ゲーム販売もある為、仕事は山のようにあった。
全ての人々が初対面のため、ぎこちない感は否めなかったが和やかに、でも忙しく。
時間はあっという間に過ぎていった。

 3日後。いつものようにバイトに行く。
そこには、ようやく見慣れた人々に混じって、新しく見る顔がひとり。
若い人ばかりが集まるこの店で、その人はかなり浮いていた。
要するに、お歳を召していたのである。

 それが、その人物との出会いだった。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 第一印象は「鬼瓦」。失礼とは思うが、本当にそう思ったのだから仕方がない。
しかし、元来持っていた人なつっこさなのか、あっという間に若い衆の輪に入っていて、事務所で6人ほどの若者に囲まれながら、気が付けば会話の中心になっているようだった。

 人づてに聞いたところ、何でも専務のコネで入ったとか、常務に頼み込まれて入ったとか。
どちらが本当かは知らないが、そんな話を聞いてしまっては、こちらも身構えてしまう。
それと同時に、「コネかよ」と少々穿った見方をしてしまうのも事実。
「鬼瓦」と「コネ」のせいで、好印象は持てなかった。

 数日後。
同じ部署に配属されるということもあって、その人と会話することが多くなっていた。
話してみると気さくないい人で、いつも輪の中心にいるのもうなずけた。
さらに、数日しか働いていないというのに、社員さん、しかも部長クラスの人にまで意見してる処も何度か見かけ、正直、「すごい人だな」と感心していた。……専務のコネがあるからか?とも思ったが。

 母というには若すぎだが、姉と呼ぶには離れすぎ。
正直、どう接して良いか分からなかったが、その人の為人(ひととなり)のお陰もあって、気が付けばうち解けていた。
 印象は「鬼瓦」から「気のいい母さん」に変わっていた。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 就職して1週間後。
ついにこの店も無事、開店の日を迎えた。
開店スタッフなんてやったこともないので戸惑うことも多かったのだが、綱渡りで乗り切っていく。
順調に問い合わせも増えていき、それと共に定期購読も増えて。それらを何とかこなしていた。

 殺人的な忙しさ。それは確かに人を鍛える。
開店スタッフはいつの間にか、百戦錬磨の武将のように、何事にも対応できるようになっていた。

 しかし、やはり書店というのは特殊な職業であるらしい。何せ記憶力が物を言う。
話題の本、創刊された雑誌、人気の雑誌に、売れ筋コミック。
それらの誌名や書名・発売日をある程度頭に入れておかなくては、ふいの問い合わせに戸惑うことも多い。

 この店に就職して一番驚いたのが、その発注方法だった。
前にいた書店では、注文スリップと呼ばれる紙切れに、店の住所・名前をコード化している「番線印」なるものを押して問屋に返送し、そこから出版社に送られてようやく注文が受理される。
送ったときと同様に、再び商品が問屋に納品され、それからようやく書店に届くという、何とも前時代的なシステムだったため、注文してから届くまでに、実に1ヶ月という時間が必要だった。
 しかし、この店は。
問屋に在庫が有ればPCで発注可能。発注すれば1週間で届くし、問屋に在庫が無ければ、出版社に直接電話して注文して良いとのことだった。この方法でも、版元に在庫があれば3週間前後で入荷する。
 信じられなかった。電話代だって馬鹿にならないというのに。
しかし、聞けば大抵の書店はそうしているとのこと。そうしなければ売れ筋など入荷しないとも。
だいたい出版社に直接電話だなんて、前の職場では社長・専務・常務くらいまでしか許されていなかった。それがいきなり「電話で発注しといて~」だ。しかもえらい軽い言いよう。
一介のアルバイトが、版元に直接電話なんかしても良いものだろうか。
そうも言っていられず、何度か電話をするうちに、番線印の番号も覚えたし、応対にも何とか慣れることが出来た。注文冊数もある程度自分で決定できる。
とにかく、何もかもが自分の自由にでき、それと同時に責任も生まれていた。

 アルバイトスタッフでは、書店経験者は私しかおらず、勤めて日が浅いというのに、社員さんと共に、結構突っ込んだ仕事も任される様になっていた。
 そしてそんなアルバイトは、私以外にもう一人いた。
前述の、「気のいい母さん」その人である。
 経験者ではないのだが、その向学心が凄かった。
とにかく、雑誌やテレビを隈無くチェックし、話題の本を把握していた。同時に毎週更新されている問屋発のランキングチェックも欠かさないし、大まかではあるが、毎日売れた商品のチェックまでしていた。
その努力が認められ、花形である部門をまかされた。それまでそのジャンルは読んだことも無いとのことだったが、担当になったとたん、これも貪欲に読み始めたようだ。売り上げも好調。畑違いのジャンルでも、ここまで出来るのかと本気で尊敬した。

 自分も自然と文庫担当になり、棚の品揃えや新刊本の注文数を考える毎日が続いた。
それは、今まで経験したことのない、とても楽しい毎日の連続だった。


===================================
End.
===================================

2009.05.06.脱稿

Background Music=ALL-OUT ATTACK(B'z)

以下、あとがきです。


【More・・・】

===================================
セルフライナーノーツ  (黒歴史 01 出会い)
===================================

 ついに始めてしまいました黒歴史精算企画。
全8話予定です。

 草案は2月の段階で出来ていたものの、読み物として面白く……なんてことを柄にもなく考えてしまっていたようで、なにかしらの迷宮に入ってしまい、全く書けなくなっておりました。2月から今までだから、……あ、それでも3ヶ月ほどでしたか。スランプと言うにはおこがましいです。そんなに長くもありませんしね。
それまではずーっと本を読んだりTVを見たりと、いわゆる充電期間を頂いておりましたが、ようやく重い腰が上がりました。
書きたいと思うときが書けるときなんですね。

 創作SSも書きたくはありますが、まずは書きやすい自分の話からリハビリのつもりで再び始めてみようと思います。てか、この01は今年2月にほとんどの文面は完成していたので、本日前文を書き足してようやく完成。
さて02以降を書き始めないと……って、まだ書いてないのかよオレ!

 02は「流れ」
 黒くなる前の心の動きを書こうと思っております。
UPは出来るだけ早く……と思っておりますが、さていつになることやら。
――なんて言いつつ、もう本文完成していたりするので、それほど長くは掛からないと思われます。
もし続きをお待ち頂けるのでしたら、幸いです。

 お読み頂き、ありがとうございました。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 日記 - ジャンル : 日記

08:41  |  私小説  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

この記事のトラックバックURL

→http://dameningensagami.blog95.fc2.com/tb.php/198-9bbce536
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。