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2009.05/13(Wed)

黒歴史 03 新入り

 今回も私小説いきます。自分の中の黒歴史精算企画。
全8話予定。こちらはその第3話。

第1話は黒歴史 01 出会いを、
第2話は黒歴史 02 流れをご覧下さい。

 回を重ねるごとにどんどん長くなっていっております「黒歴史」
只今6話まで完了しております。この記事UPの後に、間髪入れず4話もUP予定。
長文ご容赦願います。

登場人物
Y=気のいい母さん。
G=人見知り。口数が少なくコミュニケーションを取るのが下手。しかしその正体は。
O=人当たりのいい子……ではあるが。

 では参ります。


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   私小説 黒歴史 03 新入り



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 外商の業務拡大を受け、外商部に2名のスタッフが新たに配属された。
一人は男性で名前はGさん、中途採用の社員。もう一人は女性で名前はOさん、アルバイトスタッフ。
女性は入った当初からPCも打てるという、なかなかの戦力だった。しかも物覚えが良く、すぐにレジ操作を習得した。
……ただ、いつも笑顔だったのに、目だけは笑っていなかった。
男性はというと、第一印象は「多少口数は少ないが、事務には向いているのかもしれない。しかし客商売には不向き」
かなりの人見知りらしく、例えばレジに立ったとしても、笑顔があまり無い人物であった。
ただ、好きな野球の話題などになると饒舌になり、私とも何度も野球の話で盛り上がった。

 しかし、この二人が後の私に多大なる心労を与える人物になろうとは、当時の私に気づける筈もなかった。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 同時期に、私と共に長年「気のいい母さん」を支え続けた朝番の「片腕」Tさんが辞めることとなり、新人女性であるOさんに引き継ぎをしていた。
その流れもあり、自然とその女性が朝番の「片腕二代目」となった。
私もOさんと男性Gさんに大学伝票の作成を説明したのだが、この伝票というのがかなりのくせ者で。
例えば数字は半角で、通巻表示(第0巻0号通巻0号)という一冊ごとの通し番号を打たなければならない、とか、掛け売上を上げた後、レシートコピーをしなければならない、とか、しかもレシートには対応する冊子名を書かなくてはならない、とか、さらにまとめ打ち禁止、とか、とにかく細かい決まり事が多かった。
Oさんは難なく習得してくれたのだが、(しかし目だけは相変わらず笑っていない)男性Gさんは元来大雑把な性格らしく、数字を全角で打ったり、誌名を微妙に間違ったりしていた。間違うと言っても、長音を入れる場所を間違えたとかいう、とてもとても小さなものだったのだが。

 一度目の「心労」はGさんに対して、大学伝票の打ち間違いを指摘した時に起こった。
その伝票の間違い部分を赤い丸印を付けて示し、「ここがこう間違っているから」説明しながらと訂正したのだが、どうやらその方法が彼のお気に召さなかったらしい。その時は大人しく聞いていたのだが。……今思えば、ふてくされていたのかもしれない。とにかく終始無言だった。

 次の日。いつものように「おはようございます」と挨拶したのだが、返事がない。
昨日まで普通に接していたというのに、いきなり全くの無反応になった。何を話しかけても返事さえしない。完全無視。
その日は「聞こえなかったのかな」と思いつつスルーしたのだが、次の日も、そのまた次の日も完全無視は続く。
 ……なんだこいつは。そう思うと同時に、何故か恐怖感も覚えていた。無言で威圧してくるのだ。
原因は、例の伝票の件以外、思い当たる節がない。それ以降会話もないのだから。

 私が何をした。ただ間違いを指摘しただけだというのに。
その日から私の中で、居心地の良かった職場は一転した。奴の居場所を確認してその場所を避けるようになり、出来るだけ外商に関わらないようにしようと試みた。少しずつ手を引いていき、最終的には外商と無関係になろうと決めた。奴と一緒に仕事など絶対無理。意思疎通も図れないようなガキにかまっていられるほどこちらもできた大人ではないのだ。奴など排除だ排除。
そう思うことで、自己を武装し、かつ奮い立せ、あの時感じた恐怖感をぬぐい去ろうとしてた。

 同時期「気のいい母さん」Yさんとの間に距離を感じるようになり、奴(=G)が間に立ちはだかることもあって、次第に疎遠になっていった。
気付けば彼女の周りに集まる人々イコール奴が気に入った人々ばかりになり、奴に気に入られなければ彼女に近づくことさえ叶わなくなっていた。例えるならハーレムの様だ。女性は可愛い子ばかり。男性はGが優位に立てるような子分肌の者ばかり。それ以外は近づくことさえ許さない。例え運良く話しかけられたとしても、Yさんの後ろから無言で威圧してくる。「相談したいけどGさんがいるから相談できません。なんか恐くてあの人」と、私に打開してくれるよう持ちかけるスタッフもいた。しかし当時の私は非力で意気地もなく、真っ向から向かっていく気力もなくて、奴と事を構えるなど出来ようもなかった。

 こうして二人と断絶した私。もう一人の女性Oさんを介して外商の仕事を片付ける日々が始まった。
その女性も、私への態度は普通なのだが、常に目だけは笑っていない。それが非常に気になりつつも、外商に関しては彼女以外頼める相手もいないので、仕事上は普通に接するようにしていた。
その女性も幾度かミスをしていたが、私はそれをやんわりと指摘し、正しく出来るように教えて行った。しかし一度か二度ほど、女性が私のミスを見つけた時、それはもう大騒ぎで指摘して来た事があった。「何事?てか何故?」と思いながらも素直に謝り、すぐに訂正したのだが、その時の態度が、例えるなら「鬼の首を取ったよう」であったと記憶している。

 ……これは後で聞いた話なのだが、その女性は、私を蹴落とす事に必死になっていたそうだ。
辞める事となっていた朝番の片腕Tさんも、「その女性に違和感を感じていた」という事実を本人の口から聞いたのも、かなり後になってからである。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 まるで針のむしろ。そんな毎日を過ごすうちに私自身の顔からも笑顔が消えていた。
とにかく時間が早く過ぎればいい、そう願いながら勤務する日々が続く。
ついにTさんも辞めてしまい、本当に相談できる人がいなくなってしまった事も正直堪えた。
そして、Yさんの周りに常に集まり徒党を組んでいる人々を総称して「Y教」や「Y教信者」と、宗教の一派のように言われ始める。名付けたのはY教に属していない上層部であった。そして私もその信者に含まれているようだった。……正直勘弁して頂きたかった。

 この頃から、「気のいい母さん」であったYさんは、暗愚な振る舞いの数々を見せ始める。それはまるで何かを間違えた教祖に例えればいいのか、遙か昔の国に生まれた愚帝に例えればいいのか。
Gさんの横暴な仕事態度を注意しない。彼の意見を鵜呑みにする。端から見ると彼の傀儡のようだった。

 例えばこんな事があった。

 私が外商の伝票を作成し終えて、嫌々ながら外商ルームに入った時のこと。
Yさんがデスクに向かって事務仕事をしている傍らで、Gは、店から拝借したパチンコ雑誌を読みふけっていた。
後に聞いた話によると、いつも拝借しては店に戻しているそうだ。ここは図書館ではない。しかも仕事中に読むとは何事だ。同時に、注意するそぶりもないYさんに心の底から落胆した。

 さらに別の日。
 同じく嫌々ながら外商ルームに入った私。一日一度は入らなければならぬのだから気が滅入る。
しかしその日は、なぜかGが居なかった。はて?と思いつつも居ないことに安堵し、さっさと用事を済ませてそこを出た。
しばらくして奴が外から戻ってきた。一人で外商行ってたのか、と一応感心したのだが、……なぜか少量のお菓子を持って帰って来た。
後に聞いた話によると、「ヒマだからパチンコ打ってくる。金!」とYさんに言って、外にパチンコしに行っていたそうだ。
……本当かどうかは分からないが。本当だとしたら救いようがない。大体仕事中にヒマだからとパチンコしに行くなど、誰も許すはずがないではないか。しかも金をせびってまで。だいたいそういうギャンブルは、自分で稼いだ金で、休みの日や仕事後に行くものであって、仕事中に、しかも上司から金をせびって行くものではない。絶対にない。断じてない。こんな奴クビだクビ!

 Gには呆れすぎて言葉が出なかったが、こんな我が儘を許しているYさんの神経をも疑った。
たしかにGが店にいる時間はYさんと同時間なのだから、朝8時くらいから夜12時近くまで。パチンコに行っている時間は勤務時間外だというのならそれもいい。しかし、何故退勤しないまま行くのだろうか。しかも行った後、どうして店に戻ってくるのだろう。

 それらの疑問はYさんへの不信感へと形を変えて、私の中に深く刻まれた。

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End.
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2009.05.10.脱稿

Background Music=ALL-OUT ATTACK(B'z)

以下、あとがきです。


【More・・・】

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セルフライナーノーツ  (黒歴史 03 新入り)
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 いよいよ黒くなって参りました。ここからずんどこ黒く黒く、果てしなく黒くなって行きます。
それは一種の被害妄想だったのかもしれません。

 04は「黒く染まる」
 いろいろな事が立て続けに起き、しかも相談できる人もいない。四面楚歌の私に次々と降りかかる火の粉。
それを振り払う術も持たず、ただ耐えるだけの日々。いったいどこまで耐えることが出来るのか。


 お読み頂き、ありがとうございました。

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