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2008.08/28(Thu)

ロープウェイ駅の二人のおじさん (短編)

これはARIAの二次創作小説です。ジャンルは暁灯里です。恐らく。

ご勘弁な方はバック願います。


蒼空


圧倒的に観光客の利用が多いこのロープウェイ駅。
地元住人は、めったに地上には降りない。

しかし、頻繁に利用する地元住人の火炎之番人が、一人だけ、いた。


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   ロープウェイ駅の二人のおじさん (短篇)



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今日も どたばたと派手な足音を立てながら向かってくるいつもの火炎之番人。
改札のおじさんは、いつもその様子を見守っていた。

「やあ!兄ちゃん!今日も行くのかい?」
「どーもっす!」

心なしか赤くなりながら答える黒髪の火炎之番人。
懐から回数券を出そうとして慌てている。
いつもならすぐ出して飛び乗って下に行くのに、今日はどうやら手こずってる様子。

もうすぐ地上行きのロープウェイが出発する時刻。
次の便は20分後。
周りにはもう誰もいない。
見かねたおじさんは、

「兄ちゃん!いいからさっさと乗って行きなさいよ!
 回数券も次の時に2枚回収させてもらえりゃいいし、下には話つけといてやるから。
 早くしないと 下行き、もう出るよ!」
「いえ、そりゃ悪いっすから!てか、次の便でもいいっす。
 あれ、おかしいな。たしかここに…」
「あんまし彼女を待たすんじゃないよ!ほらさっさと行った行った!」

そう言いながら、彼の背を押す改札のおじさん。

「いいいいいやいやいやいや!彼女ってわけじゃっ!」

真っ赤になりながら言いつのる彼を無視して。
そこに、もうすぐ出発することを知らせるベルが鳴る。
ようやく、その威勢ときっぷのいいおじさんの好意に甘えることにしたらしい
火炎之番人は、

「本当!すいません! 帰りに絶対払います!」

そう言って姿勢を正して90度の礼。
すぐさま印半纏を翻し、ロープウェイに乗り込んだ。
それと同時に出発のベルが鳴り響き、ドアが閉まった。

改札のおじさんは、その姿を見送った後、
事務所に入り、地上駅へ連絡を入れた。

「今、そっちにいつもの火炎之番人の兄ちゃん行ったから。
 半券ないけどそのまま通してやってくれ」

横の机には月刊ウンディーネ16月号。
電話を切った後、その雑誌を手に取り、後ろから数ページ目を開いた。

そこには先ほどの、元気すぎる火炎之番人の姿。
写真ではちょっと格好つけてはいるが、それさえも微笑ましい。
『特別な用事でもない限り地上には降りない』という一文を読んで、笑みを漏らす。

「いやぁ、いいねえ。若いってのは」


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


ロープウェイが地上に着いた。

連絡を受けていた地上の駅員さんが、
小走りでこちらに向かってくる背の高い火炎之番人を見つけて、「OK」と指で示す。
彼もそれを見つけて。

「本当にすいません!」

また直角の礼をする。

「いいっていいって。それよりお迎え来てるからね、早く行ってやんなさいね」

こちらのおじさんはずいぶん穏やかな物言いで。
指で示された方を見やれば、
穏やかな笑顔を浮かべた桜色の髪の水先案内人。
もちもち火星猫と一緒にこちらを見ていて、
彼が気付くやいなや、手を振って自分はここだと告げている。

少し照れたような、怒ったようなしかめ面になり、
それでもその頬を赤く染めて、彼女を見つめる火炎之番人。
頭を掻きながら、改めて駅員のおじさんに向き直り、再度礼を。

「ありがとうございますっ!」

おじさんはにこにこしながら、黙って彼の背中を押す。
押されて改札を抜けた火炎之番人は、また振り返って90度の礼をしてから
すぐに水先案内人の元へと駆けて行った。


いつものように火星猫を頭に載せて、挨拶のように彼女の髪を引っ張る彼と、
彼の手から髪を逃がしながらも、目立たぬように印半纏の袖を掴んでいる
笑顔の彼女を見やりながら、
柔和な顔をした駅員のおじさんも、一人頷きながら笑みを漏らす。


「うんうん、いいねえ。若いってのは」





End.
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2008.08.27.脱稿
2008.08.28.筆削

以下、あとがきです。



【More・・・】

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セルフライナーノーツ  ロープウェイ駅の二人のおじさん (短篇)
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いろんな人たちに見守られているふたりを書いてみたかったんですね。
今回は自分で勝手に決めた”名前を出すの禁止”に挑戦してみました。もう少しいろんな表現が出来ればいいんですが、ボキャブラリーが足りませんでしたね。もっと修行しないと。

てか、暁。回数券無くしちゃダメだろが。ロープウェイの中で探したか? 普通に乗車券買って乗ってけばいいんじゃね? しかし、結構ロープウェイ代もかかってるんでしょうね。大丈夫かな、暁の懐。いや、一人前だし、給料も上がってるさ。きっと。たのむから新太兄貴から借りるとかやめてな。…などという細かい突っ込みはさておき。

BGMは毎度おなじみ(もう開き直った)B'zの「純情ACTION」 
『格好つけてないで 必死な姿を晒すよ』 『見せよう 純情ACTION』 純情ですからねぇ。うちの暁は。早く告ればいいのに、なかなか上手く行かないんですね。でも灯里さんも迎えに来てたり、印半纏を目立たぬように(恐らく彼にも気付かれないように)袖のあたりを掴んでるあたり(妄想)に萌える。
時期設定も、告白直前にしてしまいましたし。

題名の元ネタは「キノの旅」『レールの上の三人の男』
キノの旅では、最後の言葉が三人とも全て同じだったんですが、浮き島と地上の駅員さんの特徴を出すためにあえて違う言い方にしてしまいました。でも、同じ言葉にしても面白かったかもしれませんね。

余談ですが。
浮き島のきっぷのいいおじさんのモデルは、北海道が誇るローカル番組
「水曜どうでしょう」の名物D(ディレクター)大魔神藤やんこと藤村さん。
地上の穏やかなおじさんのモデルは、
同じく「水曜どうでしょう」のアクティブカメラマンDうれしーこと嬉野さんです。
本当にすみませんすみません。もう色んな方面の方々すみませんっ!
分からない方はスルーして下さいね。
大丈夫、分からなくても人生に支障はありません。

8/28→29深夜にカウント1000越えしまして。皆様、本当にありがとうございます!
本当は、今度こそ浮き島小説!と思っていたのに。(てか、毎回言ってるぞオレ)
1000に合わせて書き上げられたらとも思っていたのに、間に合いませんでした…。(滝汗)
ちなみに今までで最長になってます。PCのメモ帳で書いているのですが、もう、全部通しで見るのも大変になってきています。上げるときも、前後編では収まらない予感がします。

というわけで、1000越え記念と言うにはえらい短いSSですが、
お楽しみ頂ければ幸いです。

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テーマ : 二次創作小説 - ジャンル : アニメ・コミック

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