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2008.09/19(Fri)

年越しACTION

これはARIAの二次創作小説です。ジャンルは暁灯里です。
ご勘弁な方はバックを推奨いたします。

それもまた良し!の御方。ありがとうございますっ!↓へどうぞ!


樽前神社境内


色恋沙汰にはとんと疎い黒髪の火炎之番人が、

どうすりゃいいのか思案にくれつつ、

長いもみあげ(?)を持つ水先案内人に逢いに行くために、

毎回口実を探しまくっていた頃。


===================================



   年越しACTION



===================================


秋の始めに、ようやく自分の気持ちに気が付いて。

それでも意地やプライドや何やかやが邪魔をして。

なかなか素直になれないオレ様が、ようやく言えた、

「年越し、一緒にいってやる!」

その時のあいつの顔ったら。

『ハトが豆鉄砲くらったような』ってやつは、きっとあんな顔なんだろうな。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

「すみません~~っ!お待たせしましたっ」
「おっそい!まったく。もう混み始めてるんじゃねえか? ほれ、さっさと行くぞ!」
「はひ~~~っ。待って下さいよぉ、暁さん~~」

戸締まりの後、情けない声を出しながら、
すでに歩き出しているオレの後ろに駆けてくるもみ子。
最初はいつものように大股で歩いていた。
しかし、これではあいつの歩調よりいささか早すぎると気づき、
オレの後を駆け足でついてくる足音を背中に聞きながら、少しだけ歩くスピードを緩める。

追いついたのか、すぐ後ろにもみ子の気配。

少しだけ早まる胸の鼓動を感じながら、サン・マルコ広場を目指して歩き続ける。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

会場に近づくにつれて、多くなっていく人の群れ。
オレは、もみ子がはぐれないように背中でかばいながら、人混みをかき分けて歩く。
背中にぴったりはり付いているこいつに、
自分の、早すぎる心臓の音が聞こえていなければいいと思いながら。

「あ!灯里さんじゃないですか!」

どこぞの馬の骨がもみ子に声を掛ける。

ARIAカンパニーでただ一人の一人前水先案内人は、やはり人気者のようだ。

うれしい反面、なにかもやもやした感情が、胸にたゆたう。

すこしだけ話し込むもみ子。すぐにそいつと別れて歩き出すが、
次から次へと声を掛けられ、その度に一言二言、言葉をかわす。
オレはというと、立ち止まって話が終わるのをじっと待つことしかできない。

少しだけ救いがあるとすれば、オレが少し離れようとすると、
こいつが何故か寄ってきてくれることくらい。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

……しかし。多い。多すぎるぞ。
どんだけ人気者なんだ 貴様!!


老若男女、ありとあらゆる人達から声を掛けられるもみ子。
隠そうとしても、もう隠せないくらい仏頂面のオレ。

それでも女子供なら笑って許せるんだがな。
あと、じいさんもOKだ。


そうこう思っている所に、また別の馬の骨がもみ子に声を掛ける。
今度の奴はえらい積極的な奴で、横にいるオレ様には目もくれず、
一生懸命もみ子に話しかけている。
その馬の骨からは、もみ子に対する好意がありありと感じられた。

もみ子も普通に受け答えしているが、隣にいるオレは、
かなり居心地の悪さを感じていた。


さっきのもやもやした感情が、だんだん輪郭を持ち、
はっきりしたものになっていく。



……オレ様以外の野郎と話すなよ。



わかってる。これは独占欲だ。

ああ、このオレ様が嫉妬だなんて。格好悪すぎるったらありゃしねえ。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

…暗く、汚い感情に弄ばれながら、

いっそ、ここから離れてしまえば楽になれるのかと思い、少し体を動かした。
歩き出すつもりで。

ふと、印半纏の袖が僅かに引張られたような気がして。

思わずそこに目をやると、僅かながらしわが寄っていた。
そのしわの先を目で追っていくと、

その根もとには、もみ子の手があった。


全然気付いていなかった。


多分、ここに着いた時からずっと、オレの半纏を握りしめていたんだろう。



先ほどの黒い感情も吹っ飛んで消えた。
なんてお手軽なんだよ、オレ。


そんなオレのぐるぐるした感情も知らずに、
ようやくさっきの奴との会話を終えたもみ子が、


「すみません暁さんっ。おまたせして」

とすまなそうに詫びる。
オレは、出来るだけふんぞり返って、いつものように返した。

「オレ様は大人だからなっ!まっったく気にしていないぞっっ!
 ああ、まっっったくな!」

…なんでこんな言い方しかできねえんだよ。オレ。
思わず自己嫌悪しかけた時、
急いでいたのだろう、どこかの誰かにぶつかったもみ子の手が、
オレの半纏から離れた。

思わず、白いその手に、自らの手を伸ばして、

そのまま、繋いでしまった。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

歩き出すオレ。手を引張られてついてくるもみ子。

一瞬盗み見たもみ子の頬が綺麗なピンク色に染まっている。
多分、オレも真っ赤になっているんだろう。

「あっ、あのっ…」

心なしか裏返り気味の声で、おそらく質問しているもみ子に、

「まったくもみ子はどんくさい!はぐれたら見つけるのも大変だしな、
 オレ様が手を繋いでてやろう。ありがたく思え!」

そう答えた。恥ずかしすぎて顔も見れない。

くすっ と、笑い声が聞こえて。

「何笑ってんだよ、お前」

思わず立ち止まって、もみ子の顔を見つめてしまった。
自分の顔に血が集まっているのを、熱さと共に感じながら。


「だって、子供できちゃうんじゃないですか? 前言ってたじゃないですか、暁さん」


くすくす笑いながら言うもみ子。
……襲うぞこのやろう。


……と、言ってやりたかったが、今のオレなら本当にやりかねないので、
なけなしの勇気とか意地とかを総動員して、

「…手の代わりに、そのもみあげを引っ張り回してやってもいいんだぞ」

そう言ってやった。案の定。

「はひーーーーっ!!それだけはやめて下さい~~っ!!」

と、先ほどの優位もどこへやら、情けない顔で嘆願するもみ子。

「ほれ!さっさと行くぞ!」

そう言って手を引き、再び歩き出す。
寒さは身に染みるが、繋いだ手は、とても暖かだった。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

…人混みをかき分けて、ようやく広場に着いた。
いつもなら5分や10分で着くのに。

「あ!暁さん!アリシアさんですよっ!!」

元『白き妖精』の麗しきお姿を見つけたもみ子が、嬉しそうに教えてくる。

楽しげだったが、言葉をいったん切った後、控えめに、小さな声で続けた。

「…暁さん、手…離していいですよ」
「いや、いい。このままで」

間髪入れず、答えるオレ。

「ええっ!? でもこのままじゃ、アリシアさんに誤解されちゃいますよっ?」

そう言いながらオレの手の中から逃げようとする、もみ子の手。

手のひらが開いた瞬間、繋いだ手をほどき、指をからませて握りなおした。


…なんか、とんでもないことしているような気もするが、
今さら止まれん。


もう、いいかげん気付け。
祈りにも似た気持ちで、からめた指に力を込めた。

もみ子もふりほどくのを諦めたようで、控えめに、握り返してきた。
繋いだ手の温もりに、赤くなっていた顔が、さらに真っ赤になる。
思わず夜空を見上げて深呼吸。頬の火照りを少しだけ消す。
そのまま、みんなの待つ所へと向かうオレ達。


…案の定。ガチャペンや、晃兄貴にからかわれたが、
それであいつが気付いてくれりゃ、それでもいいと思った。


しかし。
…相変わらず、気付いてないようだった。

また、負け越した。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

後日、アルから言われた。

「暁くんも、なかなかやりますね」
「? 何のことだ?」
「ほら、年越しの時、手を繋いでたでしょう?」
「…ああ、あれか」

「あれは、『恋人繋ぎ』っていうんですよ」


……オレ様ともあろう者が、返事もできなかった。





End.
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2008.09.19.脱稿
2008.09.21.筆削

以下、あとがきです。



【More・・・】

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セルフライナーノーツ  年越しACTION
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最近、全くSSを書く時間がなくて、書きたい欲求が溜まっておりました。
9/19の勤務終了後、帰り道のコンビニの駐車場に1時間ほど車を駐めて、手帳に一気に書き留めましたよ。
おかげさまで、右手が軽く痛いです。久しぶりに字を書きまくりました。
結構漢字を忘れていて、軽くショックを覚えながら。

BGMはB'z「純情ACTION」「恋じゃなくなる日」…今回は後者の方がメインですかね。
先日発売されたB'zのベスト、ULTRA青いのを、もちろん発売日に購入しまして。
特典のDVDに悶えたり悶えたりしながら、DISK1を聞き倒しておりましたところ、9曲目の「恋じゃなくなる日」にクリティカルヒットを食らって、エンドレスリピートしながらSSのネタを考えておりました。
「冷たい風が僕らを近づける くすぶる想い見透かすように」
「遠くで響いてる鐘は何かの終わりと始まりを告げている」
「恋という形のために壊れるものがあること
 知っているのに会いたくなるのは 恋だから 愛だから それとも」
妄想が疾走してもう大変です。

そういえば、ネタ帳に年越しネタと短文に嫉妬文あったよな。
思い出したとたん、あっという間に出来ました。


私信ですが、18日にとうとう新居の契約をすませまして、
引っ越しも本格的になってまいりました。
また更新も滞るとは思います。特にSS。次回上げられるのは、引っ越しが終わった10月以降になるかと思います…。

すみません!拍手御礼は次回必ずっ!


では、ここまでお読み頂きありがとうございました。
少しでもお気に召しましたら幸いです。

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テーマ : 二次創作小説 - ジャンル : アニメ・コミック

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