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2008.07/15(Tue)

告白 Side A

これはARIAの二次創作小説です。ご勘弁な方はバックを推奨します。
ジャンルは暁灯里です。アリア社長も少し出ますが、これもご勘弁な方はバック願います。

「告白 Side B」の対となる小説になります。

それでもOK!という御方、大好きです!↓へどうぞ。


早朝 快晴 朝の月。



ARIAカンパニーが、ひとりと一匹になってしばらく経って。

すっかりひとりにも慣れて、寂しいと感じることも減ってきた頃。


===================================



   告白 Side A



===================================


「たのもーーーっ!!」

今日も、いつものように。
暁がARIAカンパニーに来店した。

「あれ~。暁さん、どうしたんですか?」
「おう。近くまできたのでな。ついでだついで」

何故かこの火炎之番人の声を聞くと、胸が弾み、自然と笑顔がこぼれる。

「ちょうど仕事上がりのお茶にしようと思っていたんです。ご一緒にいかがですか?」

声も弾んでいる。ちょっとはしゃぎすぎかな、と思いつつ暁を招き入れる灯里と、

「もちろんだっ!じゃまするぞっ!」

なぜか威張りながら、1Fのオフィスに入ってくる暁。

「いらっしゃい~。そこにかけて待っててくださいね」
「おうよ」

何か、毎回同じようなシチュエーションだなぁと思いつつ。

 (お茶菓子、ちょっと多めに用意しておいて、ほんと、よかった)

満面の笑みを湛えたまま、いそいそお茶の用意をする。


奥からてちてちとアリア社長がやってきた。暁を見つけるとすぐにうれしそうに駆け寄っていく。

アリア社長と戯れる暁を視界の端にとらえながら、すっかり彼専用になったカップと、自分とアリア社長のカップ、そしてティーポットとお茶菓子をお盆に乗せて、暁とアリア社長の元へ。


「おまたせしました~~」
「おい、アリア社長、ちっとやせた方がよくねぇか?
 なんか、前より重いような気がするぞ」

頭にのせたアリア社長の重さに、首を曲げる暁を見ながら、紅茶を注いでカップを渡す。
暁はアリア社長を隣に座らせてから、それを受け取る。
灯里自身も彼の向かいの椅子に腰掛けて、今日の営業での出来事を話し始めた。
目の前の人は、聞き流すような素振りを見せてはいるが、いつもちゃんと聞いてくれる。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


いつものように。楽しげなふたり。
しかし、いつもと違ってしまった。その会話が終わった瞬間から。


「どうだ、最近は」
「う~~ん。…やっぱり少し大変ですね。予約のお客様も増えて忙しくなってきたし。
 ひとりで経理も営業も、ですから。やっぱりアリシアさんはすごいです」

自然に出てしまった、尊敬し敬愛する先輩の名前。目の前の男性の、想い人。

「当たり前ではないか!あああああアリシアさんだぞ。白き妖精(スノーホワイト)だぞ。
 そんじょそこらの水先案内人とは わけがちがうではないか!
 ……あのお美しさ、あの清楚さ、あの優雅な物腰、あのお素敵な笑顔…」

ここで少しためて、「ほぅ」と、小さく息をついてから、

「アリシアさんは天使だっ!」

頬を染めて、握りこぶし付きで力説する暁。
が、ちょっと言葉を切り、

「…しかし、もみ子はよくやっていると思うぞ。アリシアさんの後を継いで、
 プレッシャーもかかっているだろうに」
「あはは~…ありがとうございます…。でも、プレッシャー…とかは特に無いんです…。
 ゴンドラは楽しいし、お客様と接するのも楽しいし、何より、毎日出会いがあるのが
 嬉しいですから…」

灯里は、暁の言葉に実のない返事を返しながら、なぜか胸の痛みを覚えていた。


いつもなら、気にしてないふりができたのかもしれない。その人の名が出ていても。

でも、何故か今日は。

彼の口から アリシア の名前が出た途端。
なにか説明の出来ない感情が、灯里の胸から吹き出した。


 (アリシアさん の 名前が出た…から?
  それとも、暁さんが、アリシアさんをまだ想っている…って気付いたから?)

すこし顔が強張ってしまったかもしれない。
それでも無理して笑ってみる。

「本当に暁さんは、アリシアさんが好きなんですね。
 ……羨ましいです。」

絶対に言うつもりはなかったのに。
それまでも幾度か感じていた『羨ましい』という感情。

それは、一途に想い続ける暁に対してなのか、
それとも彼の想われ人 アリシアに対してなのか。


目の前には、頭によじのぼるアリア社長を支えながら、
怪訝そうな顔をしてこちらを見ている暁。
その姿を一瞬見て、笑いながら視線を左に流す。
直視していると、心の中を見透かされそうで。

 (どうか、気付かないで下さい。今の 私の この訳の分からない気持ちに)

目の前の人は、変わらず自分を見つめ続けている。
その視線を感じて、どこかに逃げ出したい衝動に駆られた。


 (どうして、私は。
  暁さんから『アリシアさん』の名前を聞くと、…胸が苦しくなるんだろう。
  今までは、それでも隠し通せたのに。おかしいな。
  暁さんは、アリシアさんのファンで。それはずっとずっと前からのことで。
  今更、そんな事…言ってもしょうがないことで。
  わかって……わかっているのに。

  どうしようもなく、胸が苦しい)



 (今日はだめ。明日になったら、いつもの私に戻るから)

うわべだけ。顔に笑顔を張り付かせて。


そう、いつもなら。
この時間がずっと、ずうっと続けばいいのに。と、思っているのに。

今日は、今日だけは。

とても嬉しいはずのこの時間が、はてしなく続く責め苦のように思えた。


 (早く、終わって…。こんな気持ち どうしたらいいか、わからないよ…)


逃がしていた視線を、彼に戻した。
目の前の暁は、笑みを消して、真剣にこちらを見ている。

……とてつもなく、辛かった。次に何を言われるのか、恐れている自分がいた。


今まで知らなかった、感情。

嫌われるのが、こわい。



 (何故か、わからない。でも、

  暁さんが頻繁に来てくれるから、寂しさも少しですんだ。
  辛い時、気付けばそばに居てくれた。

  街中で偶然会うとき、藍華ちゃんやアリスちゃんといても、アリシアさんといても、
  真っ先に私の髪の毛を引っ張って……くれた。

  髪を引っ張る時の力加減も絶妙で、実はそんなに痛くないし。
  私がおおげさに痛がってみせるのは、
  …たぶん、そうすれば かまってもらえるから。

  声が大きかったり、荒げたりすることはあっても、本気で怒った事は無かった。


  多分、願ってた。暁さんの好意が私に向いてくれてたらいいと。

  
  でも……暁さんは、アリシアさんのことが今でも好き…なんでしょう?
  だって、アリシアさんの結婚の話になると、「認めんっ!断っじて認めんっっ!」
  ていつも言ってるし)



そう思ったとたん、泣き出しそうになって。
あらぬ方向を見て暁から自分の顔を隠す。



 (そうか……。やっぱり私は この人が ……好きだったんだ。
  ずっと…ずうっと前から)



とうとう、気付いてしまった自分の想い。いや、本当はとっくの昔に気付いていた。
その想いに蓋をし続けていたのは、まぎれもない灯里自身。


静かな、とても静かな絶望が、さざ波のようにおしよせる。

 (暁さんをいくら想っても、この人には届かない。
  でもとても優しい人だから、私の想いを知ってしまったら、ものすごく困るだろうな。
  私はこの人を困らせたりしたくない。

  それなら。


  この想いは、絶対に、絶対に悟られちゃいけない)



 (でも………………辛すぎます。暁さん)




「…子…。おい、もみ子」

「……え?」

呼ばれていたことにも気付かないほど、物思いにふけっていた。
憂いを帯びた瞳を声の主へと向ける。

「どうした?」

そう訪ねられ、一瞬だけ切なげな表情を浮かべてしまって、慌ててそれを消した。

「い…いえっ!何でもないですよ」


そう答えて、笑う。いつもよりぎこちなく。ばれないように、と、祈りながら。

 (あれ……?うまく笑えないな…。いつも、どうやってたっけ……)

暁は、ひとつ大きな溜息をつき、頭のアリア社長を降ろすと、灯里を見据えて。


「おい、こら」


見据えられた灯里は、動くことも返事をすることも、視線をそらすことも出来ず、
真剣な暁の顔を見続けていた。


「お前、なんで泣きそうな顔してんだよ」

「え?…」


降りてくる沈黙。波の音と自分の心臓の音が響く。
まるでそれ以外の音が世界から無くなったかのような。


しばらくして、ようやく暁が口を開いた。


「……また、くだらないこと考えてたんだろ」


 (なんで?なんでこの人は、いつも……私の心の中まで分かるんだろう……)



暁は、もうひとつ、大きな大きな溜息をついて。
……もしかしたら深呼吸だったかもしれない。
音を立てる勢いで息を吸うと、一気にまくしたてた。

「あ゛~~~っもうっ!いいかっ一度しか言わねぇからなっ!よっく聞け!
 あ、あああああアリシアさんはな、憧れてたんであってだ、
 いや、憧れてたっていうか、今でも憧れてんだけどよっ!
 だけどだ、オレ様がここに来るのはなっ、おーっおおおおおおおおっお前がっ!
 いるから!なんだよっ!
 でもっ!お前はいつだっていろんな奴と仲良しでっ!オレ様がいなくても大丈夫じゃ
 ねえのかって思いたくなくてっ!仕事だって分かってるけどお前がどっかの馬の骨と
 仲良く話してるの見るたんびにこっちはイライラするしっ!だいたい舟に乗るときの
 “お手をどーぞ”ってのも、野郎にやってやる必要ねえって思うし!
 つーかオレ様以外の野郎の手をとるんじゃねえってうわ何言ってんだオレ!
 あーーーっちくしょうっ!!」

最後を叩きつけるように言った後、一度息を吸い、また続ける。

「下に降りるたんびに気が付きゃお前のもみあげ探してるしっ!もみあげ見つけたら
 すぐかけ寄っちまうしっ!会えねぇときだって、カフェとか秘密基地とか、
 お前が行きそうな場所回っちまうし!
 オレ様だって訳わかんねえよっ!でもなぁ、気になって仕方ねぇんだよ!
 だから休みとか半ドンの度に来ちまうんだよ!
 なんか文句あるかーーーっ!!!」

一気に言い切って、ぜいぜいと肩で息をしながら、真っ赤な顔を隠すように下を向く暁。
自身のカップに残っていた、すっかり冷めてしまった紅茶を一気に飲み干す。

なんか文句って。…と、いつものように返事を返そうとしたのに、
なぜか言葉が出てこない。
頭が混乱して。鼓動があり得ないくらい、早くなっている。

 
 (え……と…。勘違いじゃなくて…。暁さんが私のこと…
  …好きって、思っていいのかな…)

 (でも)

 (信じられない……。どうしよう。嬉しいのに……。答えたいのに…
  …言葉が出てこない……)


灯里の頬にいつの間にか、涙の雫がぽろぽろと落ちている。
暁は今にも倒れそうなくらい真っ赤な顔をして、

「泣きたいのはこっちだ」

と言いつつ、灯里のそばにきて


「あ゛~~~っ!めんどくせえっもうっ!いいから泣き止め~~っ!」


と、ぼうっと座っていた灯里の腕を掴み、軽く引っ張って立たせて、
次に、彼女を抱き締める。


なにが起こったか、とっさに理解できなかった。


今まで戯れや思わぬ事故で彼の身体に触れたり、抱き締められるような形になってしまったことは少なからずあったが、ここまではっきりと、男性に抱擁されたのは生まれて初めてだった。


灯里の身体は、暁の腕の中にすっぽりおさまっていて、
まるで、ずっと探していた大切な何かを、ようやく見つけたかのような。
心臓が跳ね馬のように暴れ回っているのだけれど、
身動き一つできず、呼吸さえ忘れて。

抱き締められる力の強さに、苦しさとともに心地よさを感じて。
彼の腕の中で身じろぎすると、少しだけ腕の力を緩めてくれた。
ゆっくりと彼の背中に腕を回して、印半纏を握りしめる。
涙は静かに流れ続ける。でもそれはもう悲しい涙ではなく。


「好きです……」


ようやく声に出せた自分の想い。

「好きでした。たぶん、ずっと前から」

それに応えるかのように、抱き締める彼の腕に力が強く入り。
しばらく経って、暁からぶっきらぼうな返事が降ってくる。


「……おう。……オレもだ」





後になって暁が真っ赤な顔で教えてくれた。
ARIAカンパニーが灯里とアリア社長の、ひとりと一匹になってから。
できるだけ「アリシア」さんの名前を出すのを控えていたこと。
どうしても出てしまった時、いつも灯里の表情を見ていたという。
つらそうにしてくれたなら、自分にも脈があるんじゃないかと思って。

「今日は勝負だったんだよな…。
 いつもみたいにどわーーっとアリシアさんのこと褒めちぎったら、
 妬いてくれんのかなって思ってよ」
「ふぇ…?」
「ま、オレ様の大勝利だけどな」

そう言って、太陽のように笑う暁。

それを見て、灯里も笑顔になる。多分、浮かれまくって恥ずかしいくらいの笑顔。

 (やっぱり暁さんの笑顔見てると、私まで嬉しくなる。
  これからもずっと、貴方の隣で 見ていたい)

  

とても幸せな時間。
これからふたりで歩いていく道の、そのはじめの一歩。






End.
===================================

2008.06.21.脱稿
2008.07.01.筆削

以下、あとがきです。

【More・・・】

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セルフライナーノーツ  告白 Side A
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コンセプトは「脱ヘタレ」。最初は「大泣き(仮)」(現在執筆中。そのうちUP予定(→UPしました。改題「泣き顔」)と一緒の話にしてたけど、まず、大泣きして距離が縮まって、(このあたりで暁が自分の気持ちを自覚して)しばらく経ってから告白のほうがいいかなと。
暁がなにげに策士です。全く同じものを暁サイドでも書いてみました。灯里サイドは難しい。
ベクトルは暁2倍→→←灯里。
ちなみに、文中の「ここまではっきりと、男性に抱擁されたのは生まれて初めて」
大泣き時に暁に抱擁されるのですが、あれは「思わぬ事故」扱いになってます。鈍感ですからねお互いに。
BGMは「つないで手」

只今絶賛執筆中(自分で絶賛いうな)の作品は、前述の「大泣き(仮)」←灯里が大泣きする話・「自覚(仮)」←暁が自分の想いに気付く話 です。ああでも、付くか付かないかのやきもき話も書きたいけど、付き合った後のラブラブ話も書きたい!ていうかむしろそっちの方を精力的に書きたい!

追記・上記「大泣き」改題「泣き顔」・「自覚」共に完成。UP済みです。よろしければご一読下さいませ。「ご案内」から飛べます。以上、お知らせでした。

私の大好きな暁灯里、気に入ってくださった方がいたら幸いです。

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