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2011.10/16(Sun)

紅月蒼刻 こうげつそうこく

 これはスレイヤーズの二次創作小説です。ジャンルはガウリナです。
 ご勘弁な方はバックを推奨いたします。

 ようし待ってた! な御方。ありがとうございます! ↓へどうぞ!





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紅月蒼刻  こうげつそうこく



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 いつものように、旅から旅への毎日を続けるあたしとガウリイ。


 それというのも、ガウリイの持ってた光の剣が、あたしにまつわる冥王とのごたごたで無くなっちゃって、あたしなりに責任感じて代わりの魔力剣探しているんだけど、これがなかなか見つからない。
 ああもうっ! どっかに落ちてない?

 この町に寄ったのも、剣を探す道行きの中での、ほんの気まぐれ。

 夕方過ぎに宿屋に入って、速攻晩ご飯。いつものよーに、ガウリイと奪い合いになったけど。
 大体ね、ガウリイが美味しそーに食べるのが悪いのよ。思わず取って食べたくなるじゃない!
 そしたら報復か! ってくらいぶんどるし。こっちも更にヒートアップするってもんよ。

 ……と、いうわけで、今日もバトル晩飯を美味しく頂いた後、ちょっとだけ、ホントにちょっとだけお酒を一緒に飲んだ。
 どうやらガウリイくん、あたしが盗賊いぢめに行くんだろうと少々疑っていたようだけど。(だから飲ませたんじゃないかっていう説もある)
 まったくっ! 盗賊いぢめに行くんだったら、もっと周到に用意するわよ。
 ――でも最近、よくバレるのよねー。
 やっぱりあの動物的カンをどーにかして封じないとダメみたい。

 ま、そんなこんなで、よーやく自分の部屋に戻ったのがついさっき。
 一緒に引き上げてきたガウリイに、おやすみの挨拶をひとつして。
「りゃあねーおやふみがうりー」
 断固言う。あたしは酔ってないと。


 宿屋の用意した寝巻に着替えて、ゆるゆるとベッドに入った。いつもなら「明り」(ライティング)の呪文を唱えて読書を決め込むところだけど、ここに着いたのが夕方だったし、それまでずっと歩き通しだったし。
 やっぱり疲れていたのかもしれない。

 あたしが起こす布団の衣擦れの音も落ちついて、静かになる部屋の中。耳を澄ますと、隣の部屋でガウリイが素振りをしている音が聞こえる。
 ……あたしの耳、エルフ並みにいいんだもの。しょうがないじゃない。

 ――――。
 いつまでやってるつもりかしら。あんの体力ばかくらげ。日課とはいえ、よーやるわ。
 いつだったか野宿した時も、夜半過ぎに見張り交代って脅迫、じゃなくて、約束したのに、ぐっすり寝てるあたしを起こすの忍びないからって、結局朝まで、見張りしながら素振りしてたのよあいつっ!
 ほんっとーに、バカなんだから。そんなところで無理して欲しくないってのにっ!

 ぴたりと、素振りの音がやんだ。
 やっと寝る気になったのかな。
 そう思いながら、何気なく窓に目をやると。
 そこには、――紅い月。低い空にぽっかりと浮かんでいた。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 紅い月は、苦手だ。
 だって思い出してしまうから。――あの色を。


 血ってやつは、どうしてあんなに紅いんだろう。
 どうしてあんなに黒くなるんだろう。

 いままで、色んな人が血を流すのを見てきたけど。
 何度見たって、慣れることなんて出来やしない。

 特に、ガウリイの流す血だけは。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 何度も何度も、あたしを庇って怪我するガウリイ。
 大きい怪我をしたことだって何度も何度もあるし、かすり傷程度なら日常茶飯事。

 その度に、あたしの「治癒」(リカバリィ)で治すけど、毎度毎度、やりきれない気持ちになる。
 小さい怪我だと、“別にいい”って言われるけど、それじゃあたしの気がおさまらない。

 だいたいあたしは「復活」(リザレクション)が使えない。もしも大きすぎる怪我をしたら、あたしじゃ治せない。だから、ガウリイには絶対に怪我して欲しくないのに。
 ……人の気も知らないで。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 何度か、ひとりに戻ろうとした事もあった。これ以上、「自称保護者」を巻き込むのが忍びなくて。
 あたしと一緒にいると、命の危険付きのスリリングな日常がもれなくついてくる。
 平穏な毎日からは、音速でかけ離れていくのだから。

 切り出そうとするたびに、事件に巻き込まれたり、襲撃されたり、襲撃しかえしたりで言うタイミングを逃し続け、結局今日に至っている。

 今更、ひとりになんて戻れない。
 ガウリイが大切な人だと、気付いてしまったから。

 っづあああぁぁぁ~~~~~っ!

 そこまで思考化して……ひとり、ベッドでもんどり打ってるあたし。なんか変なヒトみたいじゃない!

 それもこれも全部フィブリゾのせいよ!
 どうしてくれんのよ! あんたがガウリイを人質にとらなけりゃ、こんな気持ちに気付くことも、ましてやそれで毎日悶々と悩むことだって無かったのに!

 そこまで思い至って、ぴたりと動きを止めた。
 ……そう、あの時あたしは。
 確かに世界を裏切ったのだ。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 蒼いクリスタルの中。瞳を閉じたままのガウリイ。
 無事かどうかも、分からない。……生きているのかさえも。
 彼の周りには、ゼルやアメリア、シルフィールまでもが、同じようにクリスタルに閉じこめられていた。

 不完全版の重破斬(ギガ・スレイブ)を防がれて、為す術もなく座り込むあたしの頭に、
「とりあえず一人、きみの仲間を砕いてあげるよ」
 冥王の無情な一言が、あたしの耳に飛び込んで。
 言い終わると同時に、ガウリイのクリスタルから異音がした。

 その瞬間。

 理性よりも、本能が。身体を突き動かしていた。
 銀(しろがね)に染まった髪を跳ね上げて、
「やめてっ!」
 口に出したそれは、悲鳴でしかなかった。

 魔力が底をついていて、もう立ち上がる力さえ残っていなかったけれど。
 シルフィールにも、あれだけ唱えないでと言われていたけれど。
 あの呪文が、世界を滅ぼしかねない危険なものだということも、心の底から知ってはいたけれど。

 この時あたしは。
 世界よりも、そこに暮らす大多数の人々よりも、自分の故郷の家族よりも。死地(こんなとこ)まで一緒に来てくれた仲間たちよりも。
 ただひとり、ガウリイを選んだ。

 それを、裏切りと呼ばずして、何と呼ぶ?

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

 ふっ、と小さく息をつき、枕に顔を押し当てる。
 あの時は何とかなったけれど、あたしのしたことは、決して許されることではない。

「生かしておくべきではないのかもしれんな」
 かつてあたしにそう言った、竜族の長を思い出す。

 それでもあたしは生きていきたい。死んでなんかやらない。
 いつもいつでも、ガウリイの隣を歩いていたい。
 あたしが生きてるだけでも罪だというのなら、向かってくればいい。
 そんな運命、あたしが叩き潰してやる。

 だいたい、ガウリイひとりを置いて逝くなんて、心配すぎて出来やしない。
 その逆も、無理。今更ひとりになったとしたら、自分がどうなるか分からない。

 再び、身体を仰向けにする。隣の部屋は相変わらず無音。
 布団が起こす衣擦れの音もやんで、窓の外には相変わらず紅い月が鎮座している。

 二度と、あんな想いをしないように、させないように。
 窓の外の紅い月に、誓いを立てる。
 ガウリイを護り、自分も護る。
 どんなに強い敵が来たって、絶対に二人で生き残る。
 ガウリイを残して逝ったりしてやらないし、自分だけ生き残ったりもしない。



 その前に、まずガウリイの剣をどーにかしなくちゃね。
 そう思いながら、目を閉じる。今日はよく眠れそうだ。

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End.
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2009.11.16.脱稿
2011.10.16.筆削

以下、あとがきです。



【More・・・】

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あとがき  (紅月蒼刻)
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 久しぶりにやりました。脱稿から完成まで、ずいぶん長いこと空いてしまいました。twitterをはじめて、色々な方とお知り合いになれて、皆様のHPにお邪魔して素敵なSSを読みふけるうちに、気付けばこんなに季節が過ぎておりました。
 それにしても約1年ではありませんか。置いとくにしても長すぎますねw。
 こちらは2009年2月にUP致しました「紅月黒布」と対になります。
 09年に出来上がったものの、短さと末尾の文面がなかなか納得できなくて、(黒布のガウリイ末尾と対にしたかったので)何度も足しては消し、足しては消しをくり返した後、とうとうお蔵入りに。
 久しぶりにSS書きたいフェアが来ましたので、まずはお蔵になってた数個のSSを読んでみました。結果、これはこれでいいんじゃね? という結論(妥協とも言う?)に至りました。
 10月5日に拍手下さった御方のお陰でUPする覚悟が出来ました。この場を借りてもう一度、ありがとうございます、と言わせて下さい。

 密かに「バトル晩飯」が気に入ってますw。

 ちょっと短めですが、これからものんびり書き続けていけたらいいと思っております。
(実はガウリイ兄のSSしかし短文も発掘されたのですが……。UPしても良いですか……と、ここで聞いてどうする!)
 あとの問題は、これをUPした本日、11時から仕事ってことだけですねっ☆ うわあおかしいな。どんどん睡眠時間が無くなっていくよお。(イイカラ早ク寝ロ!)


 最後でハデに壊れましたが、これが通常営業ですのでご心配なく。
 ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

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