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2008.07/15(Tue)

告白 Side B

これはARIAの二次創作小説です。ご勘弁な方はバックを推奨致します。
ジャンルは暁灯里です。アリア社長も少し出ますが、これもご勘弁な方はバック願います。

「告白 Side A」と対になる小説になります。

以上すべてOK!という御方に、最大級の感謝を。↓へどうぞ。

朝 晴れ 雲。



ARIAカンパニーが、ひとりと一匹になってしばらく経って。

浮島からそこに通うのに、迷わずたどり着けるようになった頃。


===================================



   告白 Side B



===================================

今日も、いつものように。
すっかり見慣れた道を目的地に向かって進む暁。
数年前は
「下の街のことなんか詳しく知るかってんだ」
なんて言ってたくせに。
昔を思い出してすこし可笑しくなる。

ここに来るために、他の水先案内人の舟を利用したことはない。
それどころか、普段からARIAカンパニー以外の舟に乗ったことがなかった。
一途なのか面倒くさがりなのか、暁自身にも分からない。

それなりに長い通い路を、いろいろと考えながら歩く。
昔なら考えられないが、今は結構この時間が好きだった。

 (絶対にあいつの影響だな)

脳裏に浮かぶ桜色のもみあげ。早く行ってあれを引っ張らねば。
大いに間違っている使命感に燃え、暁はARIAカンパニーへの道を急いだ。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


暁はとある路地で歩を止めた。
ARIAカンパニーは目と鼻の先。
しかし、そこから歩き出すのに多少の勇気を必要とした。

 (今日こそは)

 (今日こそ、言うぞ)

自分の気持ちを自覚してから、ずっと思っている事。

彼女との親友以上恋人未満な関係から、なんとか前に進みたいのだが、
なにせ超がつくほど鈍感な灯里相手である。
なかなか思うように行かず、いつも玉砕していた。


ようやく歩き出す。
ARIAカンパニーのオフィス前に立って、いつものように。


「たのもーーーっ!!」


中にいた灯里がすぐに気付いて返事を返す。

「あれ~。暁さん、どうしたんですか?」

すぐに出てきた彼女の顔に、どきりとする。
ばれないように呼吸をととのえて、いつものセリフを。

「おう。近くまできたのでな。ついでだついで」
「ちょうど仕事上がりのお茶にしようと思っていたんです。ご一緒にいかがですか?」

ふにゃりと笑顔を見せながら、お茶に誘う灯里に一瞬見とれて。

「もちろんだっ!じゃまするぞっ!」

鼓動が早くなって、頬も少し熱を持つ。
それを灯里に気付かれないよう、威張りながら1Fのオフィスに入る。

 (ま…まあ、心配しなくてもいいか。
  気付かれても多分『熱でもあるんですか?』
  などと言われるのがオチだろうからな…)

そんな彼の胸中にまったく気付くことなく、
いつもの天真爛漫な笑顔でオフィスのソファを手で示す。

「いらっしゃい~。そこにかけて待っててくださいね」
「おうよ」

どかりと座って、台所でいそいそと用意する彼女を
見るとはなしに見つめてしまう。
用意の途中で一瞬こちらを向いた灯里の姿を見て、
あわてて視線を外に向ける。


奥からてちてちとアリア社長がやってきた。
暁を見つけるとすぐにうれしそうに駆け寄ってくる。
アリア社長を抱き上げてソファにのせてやると、
いつものように彼の背中に張り付いて、頭に向かってよじ登り始める。
それを支えたり邪魔したりしながら遊んでいると、
灯里がお盆にティーセットとカップ、茶菓子を乗せてこちらにやって来た。

「おまたせしました~~」
「おい、アリア社長、ちっとやせた方がよくねぇか?
 なんか、前より重いような気がするぞ」

頭にのせたアリア社長の重さに、首が痛くなってきた。
とりあえずアリア社長を隣に座らせて、灯里から紅茶を受け取る。
灯里も向かいの椅子に腰掛けて、
早速今日の営業での出来事を、楽しそうに語り出す。
それを、聞き流すように でも実は何よりも真剣に聞いている暁。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


いつものように、会話が弾む。
しかし、いつもと違ってしまった。自分が不用意に出してしまった言葉から。


「どうだ、最近は」
「う~~ん。…やっぱり少し大変ですね。予約のお客様も増えて忙しくなってきたし。
 ひとりで経理も営業も、ですから。やっぱりアリシアさんはすごいです」
「当たり前ではないか!あああああアリシアさんだぞ。白き妖精(スノーホワイト)だぞ。
 そんじょそこらの水先案内人とはわけがちがうではないか!
 ……あのお美しさ、あの清楚さ、あの優雅な物腰、あのお素敵な笑顔…」

ここで少しためて、「ほぅ」と、小さく息をついてから、

「アリシアさんは天使だっ!」

頬を染めて、握りこぶし付きで力説する暁。
そこで、はっ と気付く。


またやってしまった。


アリシアの名前が出ると、昔のくせですらすらと
彼女を褒めちぎる言葉が出てきてしまう。
昔のそれは本心だった(と、自分では思っている)が、
今は、灯里の前でする照れ隠しのひとつだった。

取り繕うようにちょっと言葉を切り、

「…しかし、もみ子はよくやっていると思うぞ。
 アリシアさんの後を継いで、プレッシャーもかかっているだろうに」
「あはは~…ありがとうございます…。でも、プレッシャー…とかは特に無いんです…。
 ゴンドラは楽しいし、お客様と接するのも楽しいし、何より、毎日出会いがあるのが
 嬉しいですから…」

その言葉を聞いた時、全然取り繕えてなかったことを思い知る。
言葉というより、その表情が。
今まで見たことがない、自分のそばにいるのにどこか遠くにいるような。

そしていつもよりも強張った笑顔で。


「本当に暁さんは、アリシアさんが好きなんですね。
 ……羨ましいです。」


自分の頭によじのぼるアリア社長を無意識に支えながら、
訝るような顔をしている自分に気付く。
自分と一瞬目を合わせた後、すぐに視線を逸らす彼女を見続けた。


 (羨ましいって?誰が?
  オレか?それともアリシアさんか?

  それって、もしかして…… 妬いてくれてんのか?
  ……妬いてくれることを期待していたはずなのに、

  なんで、こんなに苦しいんだ?)


追い打ちをかけるような、灯里の張り付いた笑顔。
いつもなら、長居してでも見続けたいと願う笑顔。なのに、今日は、今日だけは。

こんな顔をさせてしまった自分自身を思いきり殴り飛ばしたい衝動に、
ひたすら耐えていた。


 (……言うなら 今しか。
  いつまで、こいつにこんな顔させとく気だ。オレ)


あらぬ方を見続けていた瞳が、暁のもとへ戻ってくる。
それを、真剣に見つめ返す。今すぐ言え!言ってしまえ!と、
自分に向かって半ば脅迫するように、心の中で言い続けているのだが。

……とてつもなく、辛かった。
何を言っても、彼女に届かないのではないのかと、恐れている自分がいた。


今まで知らなかった、感情。

嫌われるのが、こわい。


 (何とも思われてないなら、今のままの関係を続けることも出来るけど。
  でもそれはしたくねえ。でも、でもだぞ
  もし玉砕してみろ。しかも嫌われたら……

  だめだ。今さらあいつのいない毎日なんて、想像も出来ねえし、したくもねえ。

  だいたい、会う度にもみあげ引っ張って、ガキくさいったらありゃしねえ。
  わかってるけど、反応を見たくて、おもわず引っ張っちまう。

  だいたい、もみ子が鈍すぎるのが……って、なんでこいつのせいにしてんだ)


頭の中は高速回転中なのだが、表情は相変わらず真顔のまま、
じっと灯里を見つめ続ける。
と、泣き出しそうな顔になった彼女が、その顔を隠すようにあらぬ方向を見る。


 (なっ!何でそこでその顔をする!)


横顔をなんとか覗き見ると、泣きそうな、諦めたような表情。
そんな顔を灯里がすること自体、暁には信じられなかった。
でも、そんな表情にさせてしまったのは、まぎれもない自分。

なんとか、伝えないと。


「もみ子」


呼びかけた自分の声がかすれている。
灯里には届いていないらしく、もう一度呼びかけた。


「おい、もみ子」

「……え?」

ようやく帰ってきた。すこしほっとする。

「どうした?」

灯里の顔に、一瞬だけ切なげな表情が浮かんで。消えた。

「い…いえっ!何でもないですよ」


そう答える目の前の彼女は、いつもよりぎこちなく笑う。だあーーーっもうっ!
そんな顔、見たくないのに。
灯里は、自分の笑顔に戸惑うような素振りを見せた。


暁は、ひとつ大きな溜息をつき、頭のアリア社長を降ろすと、灯里を見据えて。


「おい、こら」


目の前の彼女は、微動だにせず、自分を見続けていた。


「お前、なんで泣きそうな顔してんだよ」

「え?…」


降りてくる沈黙。波の音と自分の心臓の音が響く。
まるでそれ以外の音が世界から消えたかのような。


しばらくして、ようやく言葉を続ける。


「……また、くだらないこと考えてたんだろ」


驚いたように目を見開く灯里を見て、ついに決意を固める。観念したかのように。


先ほどよりも大きな大きな溜息をついて。
……もしかしたら深呼吸だったかもしれない。
音を立てる勢いで息を吸うと、一気にまくしたてた。

「あ゛~~~っもうっ!いいかっ一度しか言わねぇからなっ!よっく聞け!
 あ、あああああアリシアさんはな、憧れてたんであってだ、
 いや、憧れてたっていうか、今でも憧れてんだけどよっ!
 だけどだ、オレ様がここに来るのはなっ、おーっおおおおおおおおっお前がっ!
 いるから!なんだよっ!
 でもっ!お前はいつだっていろんな奴と仲良しでっ!オレ様がいなくても大丈夫じゃ
 ねえのかって思いたくなくてっ!仕事だって分かってるけどお前がどっかの馬の骨と
 仲良く話してるの見るたんびにこっちはイライラするしっ!だいたい舟に乗るときの
 “お手をどーぞ”ってのも、野郎にやってやる必要ねえって思うし!
 つーかオレ様以外の野郎の手をとるんじゃねえってうわ何言ってんだオレ!
 あーーーっちくしょうっ!!」

最後を叩きつけるように言った後、一度息を吸い、また続ける。

「下に降りるたんびに気が付きゃお前のもみあげ探してるしっ!もみあげ見つけたら
 すぐかけ寄っちまうしっ!会えねぇときだって、カフェとか秘密基地とか、
 お前が行きそうな場所回っちまうし!
 オレ様だって訳わかんねえよっ!でもなぁ、気になって仕方ねぇんだよ!
 だから休みとか半ドンの度に来ちまうんだよ!
 なんか文句あるかーーーっ!!!」


一気に言い切って、ぜいぜいと肩で息をしながら、真っ赤な顔を隠すように下を向く暁。
自分のカップに残っていた、すっかり冷めてしまった紅茶を一気に飲み干す。

 (っあ゛~~~~!ダメ男っ!なんだよ今の言い方っ!
  もっとましな言い方あるだろオレ!!)

暴れまくっている鼓動を何とか落ち着かせつつ、
なにか言い返してくるのを待っていた暁は、


次の瞬間、心臓を鷲掴みにされたかの如く、凍り付く。


灯里の頬にいつの間にか、涙の雫がぽろぽろと落ちている。


もう倒れそうだ。もし、嫌われてるとしても。何とも思われてないとしても。

今、目の前で泣いている灯里を放っておけず、


「泣きたいのはこっちだ」


と、かろうじて言葉に出して、そばに歩み寄る。

 (わりい。もう、我慢できねえ)

心ではそう言うものの、実際に出た言葉は少々乱暴だった。


「あ゛~~~っ!めんどくせえっもうっ!いいから泣き止め~~っ!」


と、ぼうっと座っていた灯里の腕を掴み、軽く引っ張って立たせて、
次に、彼女を抱き締める。


今まで戯れや思わぬ事故で彼女の身体に触れたり、抱き締めるような形になってしまったことは少なからずあったが、ここまではっきりと、意志を持って女性を抱擁したのは生まれて初めてだった。


抱き締めた身体は思ったより華奢で、
それでも自分の腕の中にすっぽりおさまった。
まるで、ずっと探していた半身を、ようやく見つけたような。
心臓が跳ね馬のように暴れ回っているのだけれど、
抱き締めたまま、呼吸さえ忘れて。


思わず両腕に力が入りすぎていたかもしれない。
腕の中の身体が小さく身じろぎする。
すまないと思いながら、少しだけ腕の力を緩める。
すると、彼女の腕が自分の背中に伸びて、印半纏を握りしめた。
腹の底から震えるような感情が登ってくる。その感情の名前は、何というのだろう。


灯里の瞳から、静かに流れ続ける涙。泣きやんで欲しいのに、
ずっとこのままでいたいとも思う。

綺麗だと、思った。


自分の胸元にある、灯里の唇がわずかに動く気配を感じて、耳を澄ます。


「好きです……」


耳を、疑った。こいつ 今 なんて。


「好きでした。たぶん、ずっと前から」


届くと思っていなかった、でも届いて欲しかった想い。
『好きだ』と応えたいのに、声が出ない。

応える代わりに、抱き締める腕に力を込めた。
震える胸の内の暴風を何とかおさめて、ようやく一言だけ返す。


「……おう。……オレもだ」





後になって灯里に本当のことを告げる。
ARIAカンパニーが灯里とアリア社長の、ひとりと一匹になってから。
できるだけ「アリシア」さんの名前を出すのを控えていたこと。
どうしても出てしまった時、いつも灯里の表情を見ていたこと。
つらそうにしてくれたなら、自分にも脈があるんじゃないかと思って。

「今日は勝負だったんだよな…。
 いつもみたいにどわーーっとアリシアさんのこと褒めちぎったら、
 妬いてくれんのかなって思ってよ」

まさか灯里への照れ隠しでアリシアを褒めちぎったとは言えない。

「ふぇ…?」
「ま、オレ様の大勝利だけどな」

そう言って、笑う。多分、浮かれまくって恥ずかしいくらいの笑顔。

じっと自分を見続けていた灯里も、とびきりの笑顔になる。まるで太陽のような。

 (ああ、これだ。これを見たかったんだ。
  これからもずっと、お前の隣で見ていられる)



とても幸せな時間。
これからふたりで歩いていく道の、そのはじめの一歩。





End.
===================================

2008.06.30.脱稿
2008.07.01.筆削

以下、あとがきです。


【More・・・】

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セルフライナーノーツ  告白 Side B
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はい、実は暁さん、全然策士じゃありませんでした(爆笑)。
暁サイドは文がサクサク湧いてくるなあ。灯里の時の難産ぷりったら。これを書いたおかげで Side Aも何とかなった。でなけりゃとてもとても。最初のSide Aはとても短いものでしたから。
ちなみに、「告白 Side A」あとがきにも書きましたが、
文中の「ここまではっきりと、意志を持って女性を抱擁したのは生まれて初めて」
大泣き時に灯里を抱擁しているのですが、そのあまりにもしっくり来る抱きっぷりに暁さん動揺しまくります。ええ、私が書くんですもの。動揺させてやろうじゃないか!そして自覚してもらおう!ウッディーにもからんでもらってと。原作最終回の卵お届け話がまたわたくしの妄想をふくらませて、もう大変。

BGMは「ultra soul」「熱き鼓動の果て」。も、この2曲は私の中で勝手にあかつきんのテーマソングに決定。

では、お付き合い頂き、ありがとうございました。
大好きな二人を書けて嬉しいったらない。
また出来上がりましたらUPしますので、お暇なときに覗きに来てみて下さいませ。
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